ED治療薬のネット購入について
約4割が偽物
2016年おこなわれた、製薬会社日本新薬・ファイザー・バイエル薬品・日本イーライリリー4社による合同調査によると、国内のインターネット上などの通信販売で出回っている薬の薬4割が偽物だと判明しました。
この調査の目的は、自社の開発した医薬品の偽物から患者の健康を守るためです。
調査期間は2016年3月から8月の間で、調査方法はインターネット上で販売されている各ブランドのサンプルをひとつずつ、合計30サンプルを目標に購入するという計画でした。
取得したサンプル数は合計70サンプルで、製薬会社日本新薬・ファイザー・バイエル薬品・日本イーライリリー4社の化学分析を実施して、インターネット上で購入した医薬品の化学分析をすると、70サンプル中の4割の薬が偽物という結果が判明したのです。
ネット購入のリスク
ネット上で購入したED治療薬の中には、正規品の有効成分の150%超を含んでいるものもあり、飲んだ場合どのような健康被害がでるかわからないもの、有効成分が含まれていない偽薬もありました。
特に、承認された薬以上に有効成分が含まれていたり、ED治療薬のようにみせる麻薬や覚せい剤に似た成分を含有しているもあったそうです。
インターネット上で購入したED治療薬によって低血圧や意識消失安など、正規品では予見できない副作用を起こすものも中にはあります。
正規品でない治療薬には、本来含まれていない成分がはいっていることも多いため、病院に行っても成分分析をしてからの治療になり間に合わずに亡くなってしまうケースもありました。
ネット上で購入したED治療薬は、以下のような副作用が出ると言われています。
- 不整脈がでる
- 嘔吐と下痢を起こす
- 圧迫されるような胸の痛み、首や背中に今まで感じたことの無い鈍痛
- 意識を失うような痙攣
- 目の前が黒いスクリーンをかけたようになった(ブラックアウト現象)
2011年には、奈良県に在住する男性がED治療薬の偽物を飲んだために、意識障害を起こす事件も発生しています。
結局、その男性は呼吸困難で亡くなったそうです。
医師の処方が必要
このように、インターネット上でED治療薬を購入すると、最悪命が危険にさらされることも多いという問題がありますので、「EDかな?」と感じたら専門クリニックの医師が在籍するED外来等へ行き、医師の指導のもと処方箋を頂いて治療薬を服用するようにしましょう。
EDの治療には薬を用いて対応することが多く、「バイアグラ」という薬が有名です。
近年ではジェネリック医薬品も出ているため、医師の診察に沿った処方を受けることができます。
また、EDの原因として挙げられることが多いのは、ストレスなどによるものや生活習慣によるものなど様々。
「自分はEDなんだ」という意識ばかりに集中せず、医師に相談しながら自分の生活の中で見直せる部分はないのかということも考え直す必要があります。