学生時代はハードな毎日でした
ゆるい大学生活なんて薬学部には無縁です
薬剤師の国家試験を受験するためには全国にある6年制の薬学部を
卒業しなくてはいけません。いくら近年の薬学研究が進んでいるとはいえ、
それまで4年制で行ってきた課程が6年制になるということになれば
かなりスケジュールに余裕ができるのではないかと思ってしまうところです。
しかし実際にはそんなことは全く無く、6年間の在学期間中は
かなりみっちりと勉強漬けの毎日を送ることになってしまいます。
先に但し書きをしておくと、全国には国公立・私立を合わせて
70あまりの薬剤師養成課程のある薬学部が存在していますが、その学力や
課程はばらつきが大きいです。
卒業前に受験することになる薬剤師国家試験の合格率を比較してみると
大学によっては限りなく100%に近い数字のこともあれば、反対に50%を
割り込むところもあるので在学中の勉強の難しさは相当違うと
思った方がよいと思います。
私が出た薬学部は偏差値で言えばだいたい60台中盤くらいだったので
まあまあ合格率も高くそれだけに校内の雰囲気も引き締まったものでした。
薬学部の6年制はアメリカと同じ制度
ちなみに、アメリカの薬学部も6年制だったりします。日本の制度もこれに
準ずる形で6年に変わったと思いますが、どちらにせよみっちり勉強を
しなければならないのは変わりません。でも、学習する薬学の内容自体は
日本とアメリカでは異なるので、国際的な薬剤師を目指すという人であれば、
留学という形で学びに行くしかなかったりします。なので、ホントに優秀な人や
やる気の高い人は、高校生のうちからアメリカ留学を検討してたりします。
今は留学を支援してくれる機関や学校などもあるので、
志の高さや能力の有無に関わらず、留学というもの自体は
行いやすくなってるかもしれません。が、ただでさえ言葉や文化の壁という
ハードルがあるのに、それを物ともせずに海外に挑戦する学生は、
素直にすごいと思います。
6年間の薬学部の課程
全ての大学がそうとは限りませんが、薬学部生が6年間で受けることになる
課程というのはだいたい決まっています。1~2年次には薬学の基礎科目を
中心に行い、3年次から薬学の専門科目が入ってきます。4年次になると
研究室に入って実験などをしながらの学習となり、5年次になると
実習がほとんどとなります。
最後の6年次は実質的には国家試験対策と就職活動が
優先になるのですが、そこに卒業研究と総合学習を加わる形となります。
実際の薬剤師の業務もそうですが、自分一人だけで完結する
作業は少なくほとんどの場合周囲のスタッフと連携しながら
進めていくことになります。そうした訓練もあるのでしょうが、最初の年度で
薬剤の基礎的な知識が備わったあとには研究や実験を通して同じ学生同士で
協力しながら学習をしていくことになるのです。
そういう意味で他の学科に比べて同級生やゼミ仲間との連帯感は
かなり強くなりがちです。在学中で最も大変なのは基礎学習が終わる3年次で、
油断をしていると必修科目の単位も試験で落とされてしまうこともあります。
3年次で必修科目を落としてしまえば必然的に進級が
できなくなってしまいますので、高い授業料を二度払いしなくてもよいように、
かなり学生同士で必死に勉強をしていきます。私自身実は最初の試験で
単位を落としてしまったという苦い経験もあり、再試験を通るために文字通り
死ぬ気で勉強をしたという記憶が今もトラウマとして残っています。